大菩薩峠

大菩薩峠 DVD-BOX

　まず始めに、今回の映画の感想は「マジかよー」です。これ以上は言いません、体験してください。

　さて、今回雷蔵演じる主人公、竜之介は「外道」です。ひどい奴です、ほんとひどい。正義の欠片もない奴です。それを演じる雷蔵は、なんでかかっこいいです。この役柄が後の眠狂四郎になったとのことですが、眠狂四郎の数十倍は、なんというか妖気に溢れたかっこよさです。うーん、恐るべし雷蔵。

　眠狂四郎は、どことなく粋な感じがあって、それが悪にせよ親しみが持てるのですが、机竜之介はそんなものを寄せ付けないんです。無粋で田舎もので暗い、そしてそれを、雷蔵自身もすざまじい凄みで演じています。なんとも不思議な映画です。映画では狂気の人物を描くこともあるんですが、まさにそれですね、狂ってます。もう、脇を固める役者さんもスゴい人ばかりで、緊張感がスゴい。でも、「マジかよー」なんです。

　さて、中村玉緒さん、今回大活躍ですね。貞淑な妻から悪妻からなんから、この人なんでも演じられるんですね。それに山本さん、実に美しいですね。うん、美人だわ。

　しかし、大菩薩峠という作品、映画じゃなくて物語として、何が言いたいんだろね。続きがまあ楽しみですが、原作を読む気にはまだならないね。これは、松田優作も演じられる気がする、そんな感じ。ただ、今生きてる人では思いつかないね、渡辺さん、松平さん、役所さん、時代劇のヒーローを演じられる器はあるけど、この雷蔵には及ばないと思うな。まあ、殺陣は今イチだけどね。