眠狂四郎 人肌蜘蛛

眠狂四郎人肌蜘蛛 [DVD]

眠狂四郎人肌蜘蛛 [DVD]

 ストーリーが"多情剣"とほぼ同一ですな、まあなんとも残酷な悲劇が全体を彩る悲しい物語であります。だから、見終わった後のなんとも言えぬ気持ちがあります。ここまでやるかのう、ねえ。あまりの残酷さに狂四郎がかすんでる気がしてならないなあ。勿論、狂四郎はいつものようにかっこいいのだがね。その生い立ちを伺える設定、あのいつもの黒ミサ・シーンは今回の雰囲気では余計にエグイんだけどね。しかし、今回は音楽がウザイなあ、ちと時代を感じるなあ。

 緑さんが、うーん、いやーカルトな感じがスゴいっす。時代なんですかねえ、この雰囲気。こういうのがいいという時代の空気を今じゃ想像できませんけどね。まあ、死神との色のシーンはなんとも凄みがあってエロテックではありました、意外やかわいいんですね彼女。でも、十字架に掛けられ悲劇の死を遂げた女性の手が動いていたよな。しかし、裸の女に対し「そんな眺めには.....」なんてクールじゃのう。ラストシーン、暴徒化する村人、そのつぶてを浮ける姫、緑さんグッとくるよな表情でしたけど、火の海に飛び込む台詞はあれなんかなあ、それはそれ狂四郎自身が宿命として背負っているものを今更ねえ、もう一声って感じを持ちました。

 でも、カルトというかホラーというか、最近のこの手のやつは猟奇的ちゅーかなんちゅーか、俺にはついていけないんだけどね。今回は狂四郎が死を覚悟するシーンが見られます。ずっと見て来て、"City Hunter"はかなり影響を受けているのかもな、と思いましたがいかがかなあ。