眠狂四郎 魔性剣

眠狂四郎魔性剣 [DVD]

眠狂四郎魔性剣 [DVD]

 第6作である本作品は"円月斬り"同様、時代劇としてよくまとまっているし、後年の時代劇のパタンにもみられる予定調和的な展開でもある。鶴松を救うロードムービーでもあるし、色仕掛けの暗殺ありの、まあ良い子に見せられない時代劇ではあるけれど、飽きさせないのは見事でしょうね。序盤の悲劇の連続は、必殺シリーズや破れ傘を思い起こすような怒りを見ている側に起こさせますが、前出のような痛快な必罰シーンはないため、まあ、ちょっとなんだいささか振り上げた拳をどうしようか、って感じですが、珍しく子供がシーンを主導するほほえましい終盤に「映画ってほんとにいいですね、さいなら.....」って気持ちにさせられます。

 まあ、ちょっと舞台設定が大袈裟なため、狂四郎の行為のいちいちにまでフォーカスはあたりませんが、女を扱うニヒルさはキチンとあります。しかし、なんというか悲劇の連続がどうも天秤座の私の公平感とつり合ってくれませんの。誠実に生きた人間の報いは鶴松なんですよね、なんとゆーか、リアルな意味合いが強くて、うんそーだ、と思う半面、なんかあるんですよ、これが。

 まあ、なんだかんだ言っても、あなたの人生の90分を裏切らない作品ではあります。