眠狂四郎 炎情剣

眠狂四郎炎情剣 [DVD]

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 「女を◯◯ことにかけては慣れている男だと.....」なんて台詞、そうそう言える俳優はいないだろう。思いつくままに、緒方拳だと猟奇的だろうし、松田優作だと狂人的だろう、でもそれ以外で言える俳優をボクは思いつかないな。おそらく、市川雷蔵という役者は彼らと同じかそれ以上にcrazyな役者だったのは間違いないだろうなあ。映画としては「眠狂四郎 勝負」が傑作だと思うが、謎を解き明かす展開といい、殺陣といい、脇を固める役者さんといい、眠狂四郎という人物のかっこよさを徹底的に追求した作品なんじゃないかなあ、いやー思わず酒の量が進みましたよ。

 殺伐とした悪の世界とエロティシズム、生とそして性と死、とにもかくにもいい加減でない感覚が痛快だろう。そう、何かが違うのね、今の感覚と。勿論最近の映画も面白いんだけど、何かが違う、それはある種の今の裕福さからはきって出てこないんだろうな。

 中村玉緒、今じゃバラエティのおばさんですけどなかなか可愛いですねえ、最近の売れ筋の女優なんか足下にも及ばない女の業を演じる、だからああしてバカできるんだろうな。さて、また「女は魔物」なる台詞が出て来た本作品、狂四郎の見事な脱がしのテクニックを見る事ができます、うん、いやーやっぱこういうシーンがないと、ね。このシーンの狂四郎のニヒルな口元がセクシーじゃあー。これを真に受けて今やったら犯罪でんがな、映画ってのはいいものです。こういう映画が作られていた時代って、なんだかスゴい気がしてきた。