眠狂四郎 女妖剣

眠狂四郎女妖剣 [DVD]

眠狂四郎女妖剣 [DVD]

 ま、簡単に言えば、色仕掛けの暗殺を乗り越えながら、自分のルーツを知るというロード・ムービー、だね。ただ、内容に比べ幾分展開を急ぎ過ぎている感じもあった。敵の悪巧みを見抜くまでがあまりにもあっさりしすぎてるし、若山演じる少林寺拳法の使い手との決闘も拍子抜け、でもある。でも、雷蔵演じる狂四郎のかっこよさは十分味わえます。特に、春川さんとのシーンは男の凄みも合わせて実にエロテックであります。まあ、この作品全編がエロテックで、藤村さんの全裸演技や久保さんの着衣が少しずつ斬られていくシーンなどは、ハッとさせられる感じですね。最近は電車の女性誌の吊り広告にもエロって言葉が飾る時代ですけど、同時に生と死を語るこういう映画を見ると、ちとかっこわるくね、とも思っちゃうな、最近のやつは。

 そして、円月殺法に特撮が加わりました、田村正和ばりのものではないですが、僕ら的にはあれがあったほうが落ち着きますね。全体的に監督のせいか、ロングに引いたカットが多く、劇というより映画って感じがしました。切支丹の話はあくまで眠狂四郎を引き出す為の装置であって、なんか難しく考える必要もないんですが、藤村さんをそこで使うかあ、と最近気に成り出している私は少し不満、だって最初でもう終わっちゃうんだもん。でも、久保さんも結構スゴいね、息詰まるラスト。うん、やっぱこういうのを女優って言うんだな。