The Roosters → z

 TUTAYAで表題のDVDを借りて見る。昔のTV番組の収録もの。表題のとおり、ルースターズの「s → z」の変化が見られる。実は、そう、矢印の部分があるのだけれど、そこはなかった。つまり、ルースターズは"s"の頃と、"→"の頃と、"z"の頃がある。

 "s"の頃、池畑のど迫力のドラム、井上のはねるベース、花田のかっちりとしたギター、どれも素晴らしい。しかし、大江の存在感が圧倒的だ。インタビューで見る大江のふてぶてしさも凄いです。

 "z"の頃、これは花田のクールな感じを下山のギターが色をつける。それぞれのフロントマンの個性がある。

 しかし、"→"の頃、ライブでの大江は圧倒的だったけど、音に関して言えば誰でもない、化学変化したルースターズそのものである。ボクは、この頃のルースターズが好きだ。

 ルースターズが日本最高のロックバンド、とはいわない。ただ、ボクの知る限り、これほどの化学変化を起こしたバンドはビートルズの他に知らない。バンドが面白いのはそういうことだ、と思う。普通、バンドは成長する、その過程が見えてくるものだ。ただ、化学変化で突出する場合もある、それがスリリングなんだ。こういうのを意図してやっていたデビッド・ボウイのような人もいるけどね。最近はこんなワクワクするようなバンドにお目にかからない、のは年をとったのかなあ。無いような気もするんだけど。

 ちなみに、ボクが日本最高のロックバンドと思っているのは、"泉谷しげる and The Losers"です。20年も前なんだけど、これを超える日本のロックバンドは後にも先にもない、と思う。当時からそう思っていたのに、実はボクは見に行かなかった。そう、好き嫌いは別なんです、と我ながら自分がわからない。

DIS(紙)

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