Pride Of The Past

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 始発、夜は明けたばかり。JR九州の「旅名人の九州満喫きっぷ」で一路鹿児島を目指す。九州新幹線が全線開通だというのに、俺のすることと言えばこれだ、普通列車の旅。学生時代でも一回しかやってないことだが、まあこの歳でやるのもまた違った意味だ。スローライフ、流れ去った時を取り戻す為のゆっくりとした時間を味わうのだ。

 博多から熊本行きに乗り換え。ちょうど夜を楽しみ果てた姿とこれからを楽しむ姿が混在する、そのギャップが面白い。生気果てた姿を朝日が照らし、生気満ちた顔も同じだ。要はそれだけのことだ、色々あるのだ。

 長洲あたりで雲仙が見える。このあたりを通るのは夕方が多く、記憶は夕焼けなのだが、こんなに鮮やかな雲仙は思い出せない。フェリーで島原に渡りたい気分だが、そうもいくまい、行く宛てを持たない旅なのだがこの日は目的があった。熊本で乗り換え、SLに出会う。こいつに乗りたいのは勿論だ。でも、そうもいくまい。

 熊本から肥薩おれんじ鉄道へ、これに乗りたかった。この路線の光景が鹿児島本線の醍醐味だった美しい海、喜びはあまり思い出せないが悲しみは浮かんでくる、ああ思い出したくないことを思い出す為に時間を使う、愚かなことだがそうして忘れる契機を得ているのだろうと思うことにする。しかし、いい天気に恵まれた、何かを忘れるにはピッタリの青さだ。

 生まれた町を過ぎ、鹿児島に辿り着く、そして雨、激しい雨、そして止み、そして時が満ちる。この山を眺めて、心は高鳴る。今までのボクにはリアルではないが、今この時、過ぎた時まで身体に満ち、それはリアルになる。