ここが栄えた古の時の知恵
平戸。ここに来たのは思いつきではない。小倉駅改札を抜けてモノレール切符売り場に向かう柱に印象深い広告があり、毎週それを眺めているうちに行きたくなったのである。北九州とは東西の果てである、この三連休で行くことにした。もっとも当初はそうではなかったんだけどね。朝早く出発、各駅停車の電車を乗り継いでたどり着く。途中の松浦鉄道は撮り鉄の皆さんも相当いて、ガランとした道中ではなかった。
観光バスがあることは調べていたので、それまでブラブラ。ただ、約6時間の電車だったので疲れて食欲がなく酒を一杯、これは実に旨かった。しかし、ここまで来て魚も食べないとは、私の淡白さは筋金入りだ。それでも、平戸は思ったとおりの町で、仙崎からここまで沿岸の港町らしい感じで好きになった。次回は飛魚の頃に訪ねたいな。
観光バスは搭乗4名で気楽な感じ、私以外はリピータ、それは次第に実感することになった。まずは、平戸城。小さい城だが高台にある為、天守閣の見晴らしはいい。好天にも恵まれ、天然の良港たる様が鮮やかだ。入り江の中に島があって、それを回るように潮が流れている。かなり急な流れとのことで、このあたりも敵を入らせない軍港としての要素もあったようだ。こう見ると唐津とも雰囲気が似てる気もする。唐津、玄海、松浦、田平、平戸と、これらの美しい海の光景を今の想いだけで壊してはならないな、とも思う。
古くから外国と交流があり、ザビエルや三浦按針も訪れ、特にオランダ商館は長崎の出島に移されるまでこの地にあったとのこと。長崎の遊郭である丸山の地名も由来は平戸とのこと。欧米だけでなく中国、朝鮮との交流もあり、ここが栄えた古の時の知恵が今こそ必要とされている気がしてならない。今回は平戸港界隈だけを巡ったのだが、まだまだ足りないし、いづれは五島、壱岐・対馬へと足を伸ばしたいという思いがいっそう強くなった。さて、小倉駅の広告と同じ場所、寺院と教会の見える場所で撮影。まだまだ腕が未熟だ、こちらも深めねば。