ライフデザインの手引き

新しいリハビリテーション (講談社現代新書)

新しいリハビリテーション (講談社現代新書)

 深い興味を持って読んだわけじゃないがリハビリテーションという言葉の意味深さ、うんうんと頷かされる感じ。リハビリという略語が定着し、なんとなく遠い世界の出来事のような感じだが、いつでも身近になる問題である。とにかくこの世界の事をあまり知らなかったのもあるが、車椅子という道具さえも使い方が重要だということを知る。

 それより何より、たまたま障害を抱えてしまったからかもしれないが、顕在化する自分自身の本質をライフデザインというカタチで捉えなおすことは、障害を持たない人にとっても同じである。日々流されていく自分自身をどれだけ真剣に捉えられるだろうか。そういう意味でこの本はライフデザインの手引きでもある。あれこれとした指南書ではないけれど、自分自身と向き合うことがまず大事なのかを、障害を抱えた人の事例を通して考えさせられる。絶望から立ち上がるそして支える人の生き様、これは読んで得した気になった本である。

 廃用症候群というものを知ったのだが、これを拡大解釈しちゃいけないかもしれないが、使わないことでできなくなることは多い。これって、すごく考えてしまうのだ。