星の友情

人は死ぬから生きられる―脳科学者と禅僧の問答 (新潮新書)

人は死ぬから生きられる―脳科学者と禅僧の問答 (新潮新書)

 しばらく仕事関係以外の本を読むことはなかった。というか、読みたくなかった、というのが正直なところだ。何故なら、引越する前に半分以上の本を捨てた。もう、知恵とか知識とかどーでもいい、なんて思ったからだ。食って呑んで寝る、それでいい。でも、そうしてない。だから、本を読むことになる。

 この本は、ほんと星空のような本である。光輝く言葉が散りばめられている。でも、星空が何かを意味しているわけでないように、この本で何かが分かるわけではない。でも、生きる気力が少し増える、そんな本である。人の究極の何かを平易な言葉で探る、その究極を周回するような言葉のやり取り、もし2時間程度の時間があれば、この本を読んでみるのがいいでしょう。ボク個人は、仏教に脳科学に心が震えたわけではない。命に対する想いに震えたんだ、と思う。