視覚の誘導場

 視覚の誘導場とは,1960年代に横瀬が発見した,図形の周りに静電場のような場を仮定し,パターン認知などの視知覚現象を説明する心理学的概念である。最近,誘導場の工学的応用が進んでおり,文字をはじめ,図形,画像の感性評価が注目されはじめている。

名古屋大学知能メディア工学講座

 よく「行間を読む」ということを言われますが、図の"行間"みたいなものでしょうか。記号論的にも、シンボルが持つ意味の多義性の話がありますが、そんなものかも。感性工学あたりの話が理解しやすい。

 これら誘導場による感性評価方法は,従来の画像から感性情報を推定する方法のように,対象となる画像の画素,色などの要素や構造を分析するのではなく,画像全体が醸し出す誘導場の分布を利用している.また,人間は絵の細部や構造を見て理解しているのではなく,テクスチャーなど含めゲシュタルト的に全体として理解すると考えられている。

 ちょっと話がずれるかもしれないけど、通常見る場合、視点が一点に固定されているわけでなく、絶え間なく周辺の映像を補完していくような運動する、ことに最近気付いたんですよ。だから、写真に違和を覚えるのはそのせいで、僕らは一点を見ているのでもなく、区切られた世界を見ているのでもなく、絶え間なく周辺の広がりを補完しながら空間を見ている。ゲシュタルト的かもしれない。見える実体に、我々の本来の認識機能が束縛されて世界観が出来上がっている。ゲシュタルト的というのはその反作用っぽい。