瞬間の勝負

 春の天皇賞。あの場面を見た多くの人が、自分の馬券の勝ち負けを抜きにして魅せられた、と思い、あるものは満足げに家路につき、あるものは酒場に向いその興奮を語る。3200mのドラマがあの一瞬に凝縮する、目を奪う瞬間の出来事。3コーナーからのメイショウサムソンのロングスパートに気持ちを踊らせ、直線の差し切り、そして更にゴール上でのアドマイヤジュピタの差し返し、そしてため息をつく。

 馬券的にはうまみのない結果でしたが、王者と呼ばれたものがその威厳を見せることで酔いしれる劇場でした。そして、王者に果敢に向かっていくことで次代の王者になっていく宣誓の劇場でした。大阪杯の低迷のままでメイショウサムソンが終わるかもしれない、でもきっと皆終わって欲しくなかったんでしょうね。ここが他のスポーツと決定的に違うところかもしれない、うまく言えないんだけれど。日本人の心情にグッとくるものがある。まあ競馬も万国競技なんでその国独特の文化で成熟しているのだろうけど、ある日本的なものを刺激するところがある、と思う。そんなこんなを考えさせてくれました。いい勝負でした。

【6着】アドマイヤモナーク

 ▼安藤勝騎手 4角で内に行きたかったけど、内がゴチャっとしていたので外へ。今の馬場で外を回すと苦しいね。

【5着】アドマイヤフジ

 中団のインで構えたアドマイヤフジ。だが2周目4コーナー手前でややポジションを下げ後退。直線では外から懸命に脚を伸ばしたが5着に滑り込むのが精いっぱいだった。「2周目の下りで行こうとしたんだが、モタモタしていた。直線ではよく伸びているんだが…」と川田は勝負どころでのロスを嘆いた。

(SponichiAnnex)http://www.sponichi.co.jp/gamble/special/jockeycoment/2008spring/KFullNormal20080505047.html

 個人的にはアドマイヤモナークアドマイヤフジの軸二頭総長しで夢を見させていただきました.....orz。でも5、6着ですからそう現実ばなれした夢ではなかった、うん。安藤騎手の話でも一か八かに賭けた後方待機だったと思います。アドマイヤモナークは休養に入るのかなあ、GIレースである程度のメドはできたんじゃないかな。是非また挑戦して欲しいです。

 アドマイヤジュピタはほんと強かったですね、スタートの出遅れからすぐに作戦変更に適応できる非凡な能力を感じました。直線向いた瞬間バネのあるような弾みある追い込みはホレボレしましたね。なにげにダイワスカーレットっぽい気がするので、秋の天皇賞有馬記念で競って欲しいですね。ローテーションがあるのでどうなるかはわかりませんが。アサクサキングスホクトスルタンは頑張りましたがまだ成長が見込めますし、この2頭のキビキビしたレース振りがあったからこそこの名勝負があったとも言えますね。さて、来週からは5週連続東京GI開催です。週末をあまりに楽しみにし過ぎて、すごく人生を早送りしている気分なんです。