黄金色の風に吹かれて

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黄金色の風に吹かれて
街を通り過ぎていく
太陽が眩しいこの国は
砂漠で夢が売られていた

夢が溢れてた時代に
街が楽しく狂い続けて
男は全てを得ようとして
女はそれを与えようと踊った

ビールの滴が胸に落ちて
遠くで聞こえる話を
聞いてみようと立ち止まる

黄金色の風に吹かれて
骨になる男の噂聞く
羊水に浮かんだ山から
風に吹かれて転げ落ちる

黄金色の風に吹かれて
過ぎた昔の夢たどる
ならず者の夢が転がり
岩となり石となり砂になる
岩となり石となり砂になる

もう誰も知ることのできない
黄金色の風に吹かれて
僕の身体は岩になる

早い流れに身を投げて
大笑いしてきた時代を
忘れ去ろうとする

 

(c) 1984 Naoki Shimohakamada