一日で読んでしまう本

対論・異色昭和史 (PHP新書)

対論・異色昭和史 (PHP新書)

 タイトルの「異色」を見ると、やや引っかかりが最初あるが、やはり「異色」かなあ。歴史はその語り部によって彩られる、ここで語られる歴史は戦争を知らないものにとっては「異色」だ。「戦争はそんな単純なものじゃありません」という言説からこの対談は始まる。そして、経験した人だけが語ることができる言葉が続く、そこには死があった、そして生もあった。後者を語れるリアルさをボクらは知らない。そういうことだ。

 鶴見氏、上坂氏の重なり合う個人史から、昭和の出来事を語る。鶴見氏のことをよく知らなかったんですが、肉体的裏付けのある事実、変な言葉ですが、聞いた風な事実ではなく、経験された事実を語る。なんか凄い、こんな人だったんだ。それをまともに受けることができる上坂氏も凄い。凄い、凄い、とこればっかですが、だってそう、読み止められなくて、一日で読んだんだもの。