ある種の直感
- 作者: 正高信男
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/09/01
- メディア: 新書
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久しぶりに本を読んだ、別に嫌いなわけではない、少し飽きてただけ。特に読みたい本はないので、大抵はブックオフの100円コーナーあたりで適当なものを選ぶ。まあ、これだからちゃんと読まないのかもしれないが。
この本、素直に楽しめましたし、研究者ならではのある種の直感だと思う、それが何となくいい線付いている、と思う。まあ、研究者の看板背負っていればそうもいかないかもしれませんが。こういう直感は大事だと思う、扱いがなかなか難しいけどね。
サルの研究者から見ればヒトも所詮サル、という話でもあるけど、ケータイという最新のコミュニケーション手段を使いつつも、それがとてもサル的であるという点、うん、この矛盾が面白いのかな。つまり「個々人は公的世界へ出て他者との交渉の中ではじめて自己実現を遂げるのである以上、空間上の近接性と時間上の持続性を欠いたコミュニケーションというものには、おのずと限界が生じてくるのである」ということで、この事実を知りながらも無視して、最新のツールが作られ続ける。自分もその傍らにいて最近よく考える、これでいいのだろうか、と。勿論、別の人間観が生まれ、そういう世界になるのだけれど、でもなあと思う気持ちがこの本で少しわかった気がする、技術はヒトの文化には貢献してないのだと。あと、ケータイ論とパラレル?に書かれている「専業主婦」あたり、おばあちゃん仮説につながる感じもある、こちらも興味深い。