「和」の精神を持っているという思い込み

イマドキの若者こそ「本物の価値」を理解している:日経ビジネスオンライン イマドキの若者こそ「本物の価値」を理解している:日経ビジネスオンライン このエントリーをはてなブックマークに追加

  このコラムの状況認識は同感なんだけど、「まずは自分を知ること」と題された以降が違う。この「自分」というものを置き去りにしてきたツケが今の事態の原因ではないか、と思う。ただ、歴史的な事実を否定するわけではない、それは選択の結果だから。でも、未来に対し省みようとした時、「自分」つまり日本人って何だろうと思うのだ。

 時々、日本人の良い面として「和」が語られるけど、これをどこまで自分自身が意識しているだろうか。これを誰が教えているのだろうか。誰もが何となくそれを理解してる、社会の暗黙知みたいなものかもしれないけど、これが日本人の共通感覚になってると皆思っているのだろうか。もし、そう思いたいのであれば、それを自意識化するために、家庭であれ、学校であれ、教育体系として国家が指針を示し、それを国民に促すべきではないだろうか。これが、国家のアイデンティティ形成だと思うし、国家のデザインだと思う。

 なんとなく「和」の精神を持っているという思い込み、これを幻想とまでは言わないが、おとぎ話に近い。日本人の精神形成に武士道みたいなものが大きく影響を与えている気がするが、大半の人は武士ではなかったし、今の我々もそういう血筋でもなかろう。すごい誤解が潜んでいるような気がする。