ディープ・インパクト

 彗星が衝突し地球が滅亡の危機に瀕するパニック映画。全体のストーリはアルマゲドンとインディペンデンス・ディが合わさった感じかなあ。まあこの手の映画につきもののスーパー・ヒーローが存在しない分ある種の爽快感はないけれど、しみじみと綴られていく人間模様に心動かされていく。私はこちらの方が好きです。見応えのある映画でした。

 もし、同じような危機を迎えた時、"ノアの箱舟"に乗れない時、僕ならどうするだろう。映画の登場人物たちは"愛する人"と共にあることを望みました。きっとそうするだろう。世界の滅び=自分の死=愛するものの死、が成立する。やや危険な考えかもしれないけど、真に世界が滅ぶのであればそう間違ってはいない。その可能性はゼロではない。でも、興ざめなことを言うと、やはり危険な匂いのするものでもある、"愛"って怖いなあ。そんな凄みを考えさせられました。しかし、聖書の背景のある国、というか米国はこういう滅亡ものが多いね、それだけ収益があるだろうね。そこは興味あるなあ。というか、それをまた好んでみる俺も変じゃん。

 この映画では教訓的な暗示などはなく、それが登場人物たちの"愛"ある選択を際立たせているといっていいんじゃなかろうか。その仕立てがなかなか細かい。特にメインを演じる女性キャスターの家族模様は色んな含みがあるんだろうけど、今はまだピンと来てないなあ。船長もそうだと思う。そんなのがツンツンわかるようであれば、"私"ではないんだけどね。

 さて、私は絶対生き延びてやる、と思うので、とっとと故郷の山に登って酒でも呑んでるでしょう。そういう勘が効く気がするけど、自分の部屋で酔いつぶれて寝てるんだろうなあ、きっと。