パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト

 第1作より、説明的なシーンが省かれていて、見る側に集中力を要求する感じがしましたね。脚本家による解説もあって、それを見てなるほどな、という感じでした。引き続き、キャプテン,ジャック・スパロウはかっこいい。でも今回は彼自身の定めがストーリーの中心なんで、軽妙な感じは薄れましたね。それぞれのシーンは躍動感に満ちてて、これでもか、と。アニメでありそうなシーン、例えば部族からの逃走や壊れた水車の決闘など、あれを実写で実現、まあCGなんでしょうけど、凄過ぎますよ。

 ジャックのようなトリックスター的なキャラクター、というと少し違う気もするのですが、やはり「自由」という意味で憧れを生むのでしょうね。さて、日本映画での同じキャラクターはやはり車寅次郎でしょう。彼もまた自由です。社会全体が秩序的な西洋であれば、自由は社会そのものからアウトローすること。家族単位の秩序を持つ日本であれば、家族から抜け出していく。いずれも孤高の存在である、と思います。それでも、ジャックがキャプテンであろうとすること、それは西洋的でもあるし、車寅次郎が失恋し一人旅立つのは、日本的でもある、かもしれないね。

 2作見て思うことは、生活臭さがない、食事、睡眠といったシーンがほとんどない、ジャックは特に、そして唯一それを演じているのがエリザベスなんですね、1作目ですけど。ジャックとエリザベスが対称関係にあるんだろうね。人の秩序を外す事によっても、何か闊達なものを感じますね。野生というか、食べたいときに食べている、ということになっているんでしょうね。

 最後のシーンの衝撃、えーっとびっくりな、が、ジャックが死んでいないことを暗示してますね。うーん、これははまりそうだ。しかし、この程度の予想はシロートなんで、ディズニーさんは見事に裏切ってくれるでしょうねえ、楽しみです。でも、実は封を開けてない「宝島」をずっともってたんですね。見たいなと思って買ってみていない、それをついに開けることにしましょう、第3作まで待てません、僕の海賊気分は。